今日も、とある生徒さんのレッスンの話です。
その方は、40年振りにフルートを再開されたのですが、自己流では中々上手く行かないとの事で、レッスンを開始された方です。
男性なので、同年代の女性よりパワーはあるのですが、いざ、ロングトーンを始めてみると、息が続きませんでした。
男性によくあるのですが、
なまじパワーがあると、息を最初に出し過ぎて長く続かないのです。
ソノリテの最初にロングトーンがある通り、
フルートを習い始まると、ロングトーンの練習は必ずと言って良いほどやります。
なぜでしょうか?
肺活量を増やす為?
お医者様の記事やトピックを読むと、
実は、トレーニングを積んでも肺活量自体が増える事は無いそうです。
医学的には肺活量は、胸郭という肺が入った空間を支える骨格で決まっている為、
トレーニングをしても肺活量が増えるわけではないのです。
しかも、成長期の終わった20代以降徐々に減っていきます。
実際、オペラ歌手や管楽器奏者の肺活量を測定しても、一般の人とさほど差がないそうです。
では、私達は何故長く音を出し続け(息を吐き続け)られるのでしょうか?
私達は、肺活量が多いのではなく、息の使い方が上手だからだそうです。
ロングトーンは、肺活量を増やす為では無く、息の使い方を上手にする為の練習です。
ある一定の息の量を保って出し続ける為の練習です。細く長く、でも音色も音程も良く、伸びやかにしなやかに…。
今日の生徒さんは、始めの頃は、最初にバァーっと息を出してしまい、後に続かない状態でした。
息を長く続かせるには、深く吸う事と同時に、
息を出し過ぎないでコントロールする事が大事になります。
ロングトーンの練習は、その為にあります。
とても地味で苦しい練習ですが、
とても大事な練習です。
今日の生徒さんも、前回より大分長くコントロールして長く吹ける様になりました。
これからも続けてもらいたいです🎵