「話の話」というアニメをご存知でしょうか?
1979年、ロシア(当時はソ連)で作られた短編アニメです。
ロシアのユーリ・ノルシュタインという、アニメーションの巨匠の作品で、
手塚治虫や宮崎駿など、日本の巨匠が影響を受けた作家です。
アニメといっても、日本のアニメとは大分雰囲気が違います。
そしてセリフはありません。
まるで、詩のように映像と音楽で綴られていきます。
私がこのアニメを初めて知ったのは大学の美術の講義ででした。
バッハの平均律、プレリュードの8番が流れるシーンがとても印象的で、大好きでした。
しかし、肝心のタイトルはすっかり忘れてしまい、
たまに、思い出しては、
アレまた観たいけど…なんて言うアニメなんだろう?と何年も何年も繰り返していました。
ここ数年、YouTubeなど便利なツールのおかげで
やっと!探しあてました。
「話の話」
狼の子供が主人公で、様々な日常の断片が叙情的に綴られていきます。
極寒なロシアを思わせる、始終暗めの照度。
それ故に一際感じる、一時の昼下がりの日差しの美しさ。焚き火の暖かさ。
そして戦争の暗い影。
それらを淡々と描いています。
光と影が、とても美しい作品です。