もう数年前のお話です。
当時、指導していたオカリナサークルで、最高齢の会員の方のお話です。
いつも元気で、それでいてとても品のある方で、
曲を自分のものにする雰囲気をお持ちです。
レッスンに、いつも一番近くの席で熱心に聞いて、私の言わんとする所をすぐ理解下さいます。
とても、勘の良い方だなーと思っていました。
数年経って、その方が元小学校の音楽の先生だった事を人伝てで知りました。
きゃー!音楽の先輩に!私なんて生意気な事を話ていたんだろうかーと、顔が真っ赤になりましたが、
当のご本人は、そんな事全く関係ない。いつも私のレッスンがとても楽しい。と言って下さいます。
音楽だけで無く、人としてもとても素敵な方です。
そんな中、毎年クリスマスの時期に忘年会を兼ねておさらい会をやっていたのですが、
その時にその方が演奏したオカリナが、私が今までで1番涙した演奏です。
何の曲かは忘れてしまったのですが(日本の童謡だった)アカペラで吹いてもらったのですが…
自分でも分からないのに涙が止まりませんでした。
記録ビデオをちゃんと撮らなきゃと思っていたので、かろうじて平静を保ちました。
簡単な曲だし、演奏もたどたどしい所もありました。
なのに、とても感動したのです。
あぁ、これが音楽の本当の姿なのかな?
これが、何十年も子供達に音楽の楽しさを伝えてきた人の力なのだなー
さすがだなー…
今でも忘れられません。
わたしもいつかそんな演奏が出来たら良いな…。